「入金力」=収入ー支出

資産形成において、入金力を高めることは欠かせない。 入金力とは、収入から支出を引いた“手元に残る力”のこと。この力を最大化するには、

①収入を増やす

②支出を減らす

このどちらかしかない。

では、入金力を最大化するには、どちらを優先すべきなのか。

結論は、収入を高めることだ。

支出を減らす事にはどうしても限界がある。生活している以上、一定の支出は避けられないし、ゼロにすることは不可能だ。だからこそ、最終的には収入を伸ばすことが“お金持ちへの最短ルート”になる。

ただし、ここで考えてほしい。 収入を増やすことの大変さは、誰もが痛いほど知っているはずだ。 口で言うほど簡単ではないし、努力だけで一気に収入が跳ね上がるわけでもない。

では、どうすればよいのか。

その答えが、まずは、支出の見直しだ。 節約は、誰にでもできる今すぐ取り組める“行動の一つ”。 まずは浪費を防ぎ、固定費を整える。これこそが、誰にでも共通して実施できる、資産形成の第一歩になる。

すでに行動している人は別として、支出の見直しは「やればやるだけ効果が出る」領域だ。成果も感じやすい。 ただし、前述したように、支出削減にも限界はある。 だからこそ、支出の最適化 → 収入UPへの挑戦という順番が、資産形成の王道となる。

まずは、固定費の見直しをしよう

節約は、短期で一気に成果を出すものではなく、長期で続けるほど効果が積み上がる行動だ。 だからこそ、無理な節約はおすすめしない。苦痛を伴う節約は、人間どうしても続かない。

まずは、1か月単位で「自分が何にお金を使っているのか」を見直してみよう。 その中でも、固定費のように一度見直すだけで効果が続く支出を削ることができれば、ストレスの少ない節約が実現できる。

毎回欲求を抑え続ける生活は、精神的にも負担が大きいし、長期的に続けるのは難しい。 だからこそ、節約は“習慣化”が鍵になる。

無理なく続けられる形で生活を整え、節約が当たり前の状態に体を慣らしていく。 そうすることでストレスを感じにくくなり、長期的に取り組めるようになる。 結果として、節約はより大きな効果を生み出してくれる。

節約に向けて取り組むべき項目

節約にあたり、その人によって、優先すべき項目や妥協できるラインは、それぞれ違う。

だからこそ、王道ルートはこうすべきというものはないが、自分の月々の支出を見直し、支出額の大きな項目を削ることができないか、の視点で考えることが、一番の節約の近道となる。

以下、私が実践した、いくつかの例である。人それぞれの見解があるので、参考程度にとどめておいてほしい

①居住費の見直し

支出の中でも大きな割合を占めるのが、居住費だ。ここを見直すことができれば、月々の支出は大きく改善する可能性がある。 勤務先が都心にある場合、当然ながら家賃や住宅価格は高くなる。

私は月々の支払いを抑えるため、思い切って郊外──それも職場まで片道1時間30分かかる地方に建売住宅を購入した。 その結果、4人家族がゆったり暮らせる広さの家に住みながら、住居費は月々約8万円に収まっている。

ただし、毎朝5時台に起きて、家に帰るのは夜10時台。 人によっては「その時間で働いたほうが稼げる」と言うかもしれない。

でも、私は仕事が嫌いだ。 残業して稼ぐくらいなら、通勤時間に好きなことをして過ごし、その分を節約で補ったほうが精神的にずっと楽だ。

ブラック社畜の生活から抜け出せるのであれば、長い通勤時間は私にとって苦痛ではない。 むしろ、固定費を抑えられるというメリットのほうが大きいと感じている。

②通信料の見直し

以前は通信の安定性を重視してDOCOMOを利用していた。月額6,000円を当たり前のように支払っていたが、楽天モバイルの安さに惹かれて乗り換えた。

数年前は、ビルの中や地方ではつながりにくいこともあり、不便さを感じる場面もあった。 それでも、圧倒的な価格の安さは魅力だった。

そして今はプラチナバンドが導入され、通信のストレスはほとんど感じない。 私自身、十分満足して使えている。

さらに、妻と子どもも楽天モバイルへ変更したことで、月々1万5千円以上の節約ができている。 これは家計にとって本当に大きい。

③保険料の見直し

保険は、一度契約すると見直す機会がほとんどない“固定費の代表”だ。 だからこそ、ここを整理できると家計の負担は一気に軽くなる。

私自身、以前は「なんとなく不安だから」という理由だけで、複数の保険に加入していた。 医療保険、がん保険、特約、よく分からないオプション……。 毎月の支払いはそこそこ高いのに、実際に使ったことはほとんどなかった。

そこで思い切って、保険をゼロベースで見直した。 結論として、生命保険だけで十分という判断に落ち着いた。

理由はシンプルだ。

  • 医療費は高額療養費制度で上限が決まっている
  • 入院日数は昔ほど長くない
  • 民間保険より、まずは公的制度のほうが圧倒的に強い
  • そもそも「保険は万が一のため」なのに、万が一の確率が低いものに高い保険料を払うのは非効率

こうして、生命保険以外の保険をすべて解約したことで、 月々の保険料は大幅に削減できた。

もちろん、保険をどうするかは家庭の価値観による。 ただ、私のように「なんとなく不安だから」で加入している人は、一度立ち止まってみる価値がある。

保険は“安心を買うもの”だけれど、 必要以上に買いすぎると、家計のストレスになる。

公的制度を理解し、最低限の保障だけ残す。 その分、浮いたお金を資産形成に回すほうが、長期的にはずっと合理的だと感じている。

④毎日の飲料代・昼食代の節約

20代の頃の私は、毎日の昼食や飲み物にお金を使うことを、まったく気にしていなかった。 周りの目もあったし、「弁当を持っていくなんてダサい」と思っていた時期もある。

後輩や同期との外食。 コンビニで豪華な弁当を買う。 喉が渇いたら自販機で即購入。

振り返れば、1日に1,000円以上を当然のように使っていた。 しかも、毎日だ。

ふと、本気でFIREを目指すようになってから、昼食代の価値感が変わった。

■ FIREを本気で目指した瞬間、昼食の価値観が変わった

数年前、FIREを本気で目指し始めたタイミングで、まず見直したのが「昼食」と「飲み物」だった。

とはいえ、妻に負担をかけたくなかったので、 豪華な手作り弁当ではなく、 おにぎり+簡単な総菜パックというシンプルなスタイルに変更した。

これが想像以上に効果的だった。

■ 財布を持ち歩いても“1円も使わない日”が増えた

弁当を持っていくようになってから、 財布を持ち歩いているのに、1円も使わない日が増えた。

この「1円も使わない」という事実が、想像以上にメンタルに効く。

  • 無駄遣いしていない安心感
  • 目的に近づいている実感
  • 自分をコントロールできている満足感

これらが積み重なって、気分がとても良くなる。

節約は“苦痛を伴う我慢”ではなく、 自分の行動が未来につながっている感覚が大事なんだと気づいた。

■気づけば「節約体質」が当たり前になった

この習慣を続けていくうちに、 今では当たり前のように無駄遣いをしない生活になった。

  • 自販機で飲み物を買わない
  • コンビニで衝動買いしない
  • 昼食代がほぼゼロ
  • 毎日1,000円使っていた頃には戻れない

節約は、意志の強さではなく、習慣化だ。 続けるほど、身体が“節約が普通”の状態に慣れていく。

その結果、FIREに向けて着実に前進している実感が生まれ、 節約が苦痛ではなく、むしろ心地よい行動になった。

④コンビニからの卒業

節約を考えるうえで、意外と盲点になるのがコンビニ依存だ。 コンビニは便利だし、どこにでもある。つい寄ってしまう。 でも、ここには大きな落とし穴がある。

コンビニの商品は、基本すべて“定価”で売られている。 つまり、コンビニで買い物をするという行為は、言い換えれば貴族の買い物だ。 便利さの代わりに、しっかり高い値段を払っている。

私自身、以前は仕事帰りにコンビニへ寄って、飲み物やお菓子、ちょっとした食べ物を買うのが当たり前だった。 しかし、家計を見直す中で「これ、全部定価で買ってるんだよな…」と気づいた瞬間、コンビニ卒業を決意した。

代わりに、スーパーやドラッグストアを活用するようにした。 同じ商品でも、

  • スーパーなら 2〜5割安い
  • ドラッグストアなら 特売で半額近いこともある
  • まとめ買いすればさらに安い

コンビニで毎日500円使っていたら、月に15,000円。 スーパーなら同じ内容を8,000〜10,000円で済ませられる。 年間にすると、数万円単位の差になる。

節約は「苦痛を伴う我慢」ではなく、 “買う場所を変えるだけ”で成果が出る行動から始めるべきだ。